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服作り工房
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第30回:〜 彼氏&ご主人のプレゼントに! 〜

9月に入り秋冬シーズン到来ですが、皆さんいかがお過ごしですか?

さて、
今回の服作り工房はネクタイにチャレンジします。
「どうしてネクタイなの?」か、といいますと、こんなことがありました。
それは、当社オーダースーツ部門に「アニメキャラのステージ衣装」の依頼がきました。
(なんとポケモンのニューキャラクターのステージ衣装!)

そして、その中にネクタイのご注文もあったのです。
ところが、オーダースーツ部門でも表だってネクタイのオーダーはしていません。
が、今回は特別に当社スタッフの川戸くんが制作することになりました。
(以前にもちょっとパパソーで登場した川戸くんですが、文化服装卒業後、文化服装の助手などもしていて、洋裁経験豊富!そのうえ自分用のネクタイも作っていました)

そこで、せっかくなので、この機会に服作り工房で“ネクタイの作り方”をご紹介することにしました。

クリスマスはまだまだ先ですが、“彼氏やご主人に手作りのネクタイのプレゼント”なんてすごく喜ばれるのではないでしょうか?

ぜひぜひ、参考にしてみて下さい。


そこで・・・
▽▼▽

まず、はじめに!
 
今回依頼のあった、ポケモンのニューキャラクターのネクタイの作り方をご紹介していきます。
どんなネクタイかといいますと、市販ではあまり見たことないような藤色です。
アニメキャラということなので、インパクトのある色ですね。


ご依頼人からはイメージカラーとしてパントン(PANTONE)カラーの見本を持ってきて頂いたので、近い色の生地をピックアップして先方に選んで頂いたようです。
そして、決定した生地がこちらです。
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それでは、今回、制作した川戸くんに
今回のネクタイの作り方を解説してもらいます。

☆ 型紙&裁断! ☆
 
自分のネクタイを解体して、それを参考に型紙を作りました。
出来上がった型紙はこんな感じです。


続いて表地、芯地を裁断します。
(ネクタイの表、芯共にバイアスで裁断します)

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☆ 縫 製 ☆
 
表地、芯地をそれぞれ縫い合わせます。(表地は3枚、芯地は2枚です)
芯地ははぎ目に割りミシンをかけます。

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表地の小剣、大剣部分を作ります。
中表にしてミシンで縫い合わせます。
そして、表に返します

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芯地をしつけで止めます。
表地の片側(下になる方を折ります)
ズレないようにしつけもしました。

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小剣を通すループを作ります。
表地のもう片方を中心に合わせて折ります。
ループをはさみまつります。(小剣〜大剣まで)

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最後に、小剣と大剣の端にかんぬき止めをつけて完成です。



と、まぁ〜こんな感じで、作ったようです。

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ポケモンのニューキャラクターのステージ衣装の詳細については...
当社オーダースーツ部門のウェブサイト(お客様! いらっしゃ〜い!!・ありがとう!!)のコーナーでご紹介しています。
興味のある方は、こちらをご覧下さい。
>>>
○ 7/29 更新 いらっしゃ〜い:アニメキャラの衣装
○ 8/18 更新 ありがとう:アニメキャラのステージ衣装完成!


■ パート2 ■

クロスランドスタッフもネクタイを作ってみましたので、
おさらいも兼ねてご紹介します。

まずは、生地選び...

ネクタイの生地というと、やはりシルクですよね。
通常ネクタイ用の生地は幅が50cmの物が多く、長さは70cmあれば十分です。
ところが当店の場合、服地屋ですので112cm、150cmの生地幅のモノが多いので、50cmの長さで2本は作れます。

そして、今回は秋冬物の中から2種類の生地を選びました。
シルク地ではなく、ウール地のストライプとポリエステルのインパクトのあるプリントの生地です。


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型紙作り

自分のネクタイを見ながら型紙を作りました。

型紙パーツは...
表地…大剣・なかはぎ・
   小剣・剣通し(4枚)
裏地…大剣・小剣(2枚)
芯地…大剣・小剣(2枚)


裁 断

型紙をしっかりピンで止めて裁断します。
正バイアスで裁ちます。


裏地付け

アニメキャラのネクタイは裏側も表地を使用しましたが、今回は服地用の厚手の裏地を使用しました。
中表にして裏地と表地をミシンで縫い合わせます。
そして、表に返し、形を整えます。


芯貼り

芯はネクタイの出来上がりの大きさです。
ピンでズレないようにしっかり固定します。


仕上げ

芯がズレないように片側を折り上げピンで止めます。
もう一方も重ねます。(その時縫い目が中央になるように注意します)

次に、小剣通しを作ります。
小剣通しは中表に筒状に縫い表に返します。(幅はお好みで、長さは小剣の幅の3.5倍ぐらいです。)
小剣通しを付ける所は大きい剣先から25cmの所です。


続いて、まつり縫いで仕上げます。
縫いはじめと縫い終わりは際からではなく、5cmぐらい入った所からまつります。

◎ ポイントとしては...
太めの手縫い糸で一本で縫い上げます。
途中で足してはいけないので、糸は長めにします。
そして、糸はやや緩めにまつります。
まつりの最後はしっかり止めないで、かなり糸にあそびを持たせて止めます。
(実はこれがすごく重要です)


そして、その糸は表に出ないように中にしまいます。
手まつりしているほとんどのネクタイはそうなっています。
バイアス断ちの生地は伸縮性が増すので、伸びたときにつらないためです。

最後にかんぬき止めをして完成です。



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使 用

早速出来上がったネクタイを自分で結んでみました。
どうですか?
お店で、売っているネクタイみたいだと思いません???

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プリントのネクタイには、共布でポケットチーフをあわせてみました。
ちょっと派手ですが、まずまずです。


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最後に、一言!

ちょっと、ネクタイの話をします。

本を読んで知ったのですが、今回のネクタイの作り方は「1926年にニューヨークのジェシー・ラングスドルフ」という人が考案したそうです。
それ以前のネクタイは、地の目に沿って一枚で裁っていたようですが、ズレやすくゆるみやすい欠点がありました。
それを、バイヤス断ちに、さらに3枚を縫い合わせることによって解消したそうです。
そして、現在もほとんどのネクタイが同じ方法で作られているようです。
バイアスの生地は伸縮性があるので、しっかり締まり、解けにくくなるのではないでしょうか?
そして、「3枚を縫い合わせることによって、ネクタイの生地幅は50cmで良くなり、生地を無駄なく効率的に使えるようになったのかな???」とも、思ってみました。

また、クロアチアの兵士のために妻や恋人がお守り替わりに送った布が、ネクタイのはじまりのことから、クラバット(=クロアチアの人)と呼ばれています。

ネクタイにもいろいろな歴史があったのですね。
そんな、ネクタイですから、大切な方に『手作りのネクタイをプレゼント』してみてはいかがでしょう...

それでは、今回はこれでお終いです。

次回もお楽しみに...



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